今年も ホタルが舞いました!
例年、5月下旬頃に当館の池の周りで昭和町源氏ホタル愛護会主催の「ホタル夜会」行われています。今年度は新型コロナウィルスの影響で残念ながら中止となりました。
先月の24日の夜、今年はどうなのかな?と来てみました。本館の周りには街灯はなく、庭園は真っ暗、ロケーションはバッチリ!静かに池に向かって歩いて行った所、「いるよいるよ!」と子どもの声が聞こえ、すでに先客の家族がホタルを見に来ていました。近所の方のようで「毎年楽しみに来ているんです」と話してくれました。
一匹、二匹、三匹・・・数えた所六匹余りのホタルを確認しました。母屋の方まで大きな光線をひき飛ぶホタル、水草の上で光を放つホタル、池の上をゆったり光っては消え舞うホタル・・ホタルの寿命は2週間余り、それを思うと儚いホタルが何とも愛おしくなるものです。
「蛍は川筋に沿い堤の上も一めんに入り乱れてとんでいった。それが沸き返るように次から次に空中で盛り上がり、ともし灯の花吹雪となって人の顔や肩に幾ひきとなく突きあたって来た。私の顔にも胸にも突きあたって来た」。これは井伏鱒二が昭和町鎌田川の「蛍合戦」の様子を描いたものです。
ホタルが乱舞するこの頃の様子は想像すらできませんが、数匹でもホタルが舞うこの光景は、やはり昭和町の風土としてかけがえのないものだと感じました。