2021年1月7日木曜日

中央市での出前授業

 現在の中央市、合併する前の田富町や玉穂村は地方病の有病地で多くの患者さんがいた地域です。特に、田富北小がある地域は、臼井沼とよばれ野鳥の宝庫とともに有数のミヤイリガイの生息地でした。 中央市の副読本(市町村教育委員会が編集・発行)には地方病の事がしっかり載っており、市内の多くの学校で地方病についての授業が行われているようです。今年度は市内の5校(田富小・田富北小・田富南小・三村小・玉穂南小)9クラスの4年生を対象に出張授業をさせてもらいました。

         田富小学校での授業 

 当日は4年生の2クラスで授業をさせてもらいました。1時間で地方病の概要を理解し てもらうのは少々大変です。「地方病とはどんな病気なのか」「どうやってやっつけたのか」「いつ終わったのか」の3点を授業で押さえる事にしました。

火炎放射器登場!
  前述した常永小学校の授業(「紅葉だより12月」参照)と同じように、子どもたちにイ メージしやすいように写真や具体物を教室に持ち込み授業を進めました。前半部分は常永小と同様の流れで、今回のポイントは「どうやってやっつけたのか(撲滅したのか)」です。 



 「このミヤイリガイをどうやってやっつけたのかな」
     薬で殺す、踏んでつぶす、火でやいちゃう、埋めてしまう、・・ 
  次に火炎放射器登場!「この大きなもの 何だと思う?」、       
    薬をまく、ミヤイリガイをすいとる、火が出る・・・・ など様々な意見が出ました。
 「薬をまく」「水路をコンクリート化する」「火で焼く」など3点を押さえ、その後は、だんだん患者さんの数が減り(戦後の田富町の患者数を示したグラフ)、平成8年に山梨県知事が終息宣言を出し、その記念として終息の碑を建てた事など説明しました。 


フィリピンの児童(罹患した)
 最後に罹患しているフィリピンの子どもの写真を見せて、現在でも地方病で苦しんでいる人々がいることを話して授業を終えました。
 
 「水槽に入っているミヤイリガイは安全ですか」 「フィリピンの子どもたちには治る薬はあるんですか」 ・・・などドッキリするような発言もあり、子どもたちの発想の柔軟性に驚かされました。   

  田富北小学校での授業では、前述したように、この地域は臼井沼とよばれ有数のミヤイリガイの生息地であると同時に、野鳥が10万羽もいた野鳥の楽園(宝庫)だった事を話し、地域住民と野鳥の会のメンバーとの対立があり、最終的には埋め立てられたことを、下記の写真を使い説明をしました。

昔の臼井沼
現在の臼井沼(田富北小付近)

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